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恋に効く、仏教 v01

恋に効く、仏教 v01 第一話 
「出会い」なんて、
そこいら中に転がっている

2015.09.09

今回より、はからずも皆様に向けて文章を書くことになりました。
まったくの不慣れですので、皆様と一緒に少しずつ慣れていければいいなと、思っております。
 
私は、静岡県浜松市にあります龍雲寺というお寺の副住職をしております、木宮行志といいます。
本来、このようなものを書いて皆様にお見せできるような立場でない私が、このような機会を得ましたのも、私が行っている活動がご縁を結んだのだと思っています。

その活動とは、「お寺婚活」。お寺で婚活の支援をする活動「吉縁会」です。

 

お寺で婚活!?と思われた方も多いと思いますが、実はお寺は昔より、地域の文化の中心として、地域の事をよく知るお坊さんが、いわゆる仲人として、男女の縁を結ぶお手伝いもしてきた歴史もあります。ですので、お寺本来の行いではあると思うのですが、違和感を持つ方もいると思います。

 
 
そもそもこの様な活動をしようと思ったきっかけは、独身の友人から「結婚相談所に行っているが費用が高い」「ネットの出会い系は安心できない」という話を聞いたときに、「あれ!?これ、お寺でやれば、費用は実費だけでいいし、多少なりとも安心感は、あるんじゃないか!?」と思ったのがきっかけです。
 
その後、地域の若いお坊さんたちに声をかけ、多くのお坊さんと共に、会を立ち上げました。
今では、大なり小なり婚活を行うお寺もチラホラ出てきていますが、5年半前に私たちがはじめた頃には、まったくどこでもやっていない状態でしたので、真っ先に思ったのは、
お坊さん仲間や、ご本山から怒られる・・・・・・。
こんな事をやっても実際は若い人はお寺離れしているから・・・・・・。
という思いでした。
 

でも、実際はじめてみると、ご本山をはじめ、多くのお坊さんが理解して支援してくださり、また若い世代の皆さんも「お寺だから安心」と、非常に多くの方が集まってくれました。

 
今では、会員4000名、成婚80組以上と、発足時に予想もしなかった盛大な会となっています。
浜松市で行っていた会も本年から東京でも行うようになり、東京では定員80名に対し、1200名の応募が来ている状況です。

多くの方が成婚された喜びもありますが、世間が、若い人が、まだお寺を信じてくれている! という嬉しい思いが日々の活動につながっていると思います。

 
 
と、この様な活動をしている一風変わったお坊さんですので、このようなご縁をいただいたと思っています。
吉縁会の詳細は、ここで詳しく書くよりホームページをご覧ください。
 
 
さて、ここでは、その会の中で参加している方々に私がお話していることについて、少しずつ書いていこうと思います。
 

多くの独身の方々と接してきて、皆さんが決まって言うのが「出会いがない」という言葉です。

確かに、昔に比べ、近所付き合いも少なくなり、おせっかいを焼いてくれるお見合いおばさんもいなければ、職場で出会おうにも、人と人が接しなくてもメールなどでことが済み、仕事の中での人との接し方も変わってきたのは事実です。

だけど、それでも出会いはないはずないんです。

 
 
私はコンビニが好きで、しょっちゅう行きます。行く度に無駄なものを買ってしまい、反省し、また行ってしまうという状態ですが(笑)、コンビニを見ていると、たまに店員さんとものすごく仲良くしゃべっているオジサンを見かけます。
 
コンビニに行っている回数では、私とさほど変わらないのに、オジサンは店員さんを名前で呼び、店員さんもオジサンを名前で呼んでいるほど、仲良くなっています。私とオジサンと一体何が違うのか?

それは、オジサンは店員と、人と人として出会い、私は、客と店員としてすれ違っている、その違いのような気がします。

 
 

私たちは、日ごろから多くの人に出会っています。その出会いがなければ私がここに成り立たないくらいの、多くの出会いの中で生かされています。
ただ私達はそれに気づいていない。

 

出会いとは、『出て会うこと』だとよく言います。

出てと言うと、家から出たり、積極的に合コンに出るような、行動としての出るを想像しますが、ちょっと違う気がします。

私は、心から一歩相手に出て、会おうとすることだと思います。

 
いつの間にか私たちの心は、出会いを出会いと感じず、すれ違い、すれ違い過ごしています。
 
オジサンは、商品を置いてお釣りをもらう、その同じ流れの行動の中で、相手を人として見て、自分の心から一歩出て、相手と出会おうとしたのでしょう。
話している時間も、会計にかかる時間も私とさほど変わらない。
ただ思いが一つあるだけで、時間の経過と共に、大きな差になっていったのだと思います。
 

「出会いがない。」のではく、「出て会おうとしていない。」だけなのではないのか?

 
改めて周りを見てください。
 
人との関わりがなく、暮らせること絶対ありません。一人ぼっちだと思っているあなたの毎日にも、多くの人が関わっています。

コンビニの店員にも出会っている、通勤の間にも多くの人と出会っている。そう考えると人生は本当に多くの出会いであふれています。

それをただの“すれ違い”と見るか、“出会い”とするかは、あなたの心の一歩次第です。

 

あなたが幸せになりたいなら、周りにあることに目を向けるところから、はじめたらいかがでしょうか?

Writer Profile

木宮 行志
木宮 行志Koushi Kimiya

お寺婚活「吉縁会」事務局長 / 龍雲寺副住職

浜松市の龍雲寺に入寺後、小学生100名のサマースクールや、世界の子どもにワクチンを送る万灯会など、社会貢献活動を行う。

2010年より、静岡県西部で費用をかけず、安心した出会いの場を提供しようとお寺での婚活「吉縁会」を地元の若手僧侶とはじめる。2015年からは東京、2016年からは名古屋・岐阜・大分・仙台でも開催。現在、会員は10,500名。成婚は260名以上と大きな成果を上げる。僧侶という立場で、独身世代と向き合い、多くの縁結びをお手伝いする。

永代供養・樹木葬・坐禅会紹介『龍雲寺』
寺コン・お寺婚活『吉縁会』

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