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恋に効く、仏教 Vol.29

恋に効く、仏教 Vol.29 第二十九話
心の指差し確認

2017.04.12

皆さんの、
心は今どの様な状態ですか?
 
そんな投げかけに、すぐに答えられる方は少ないのかもしれません。
 
私たちは日々を懸命に生きるわけですが
日々に追われて生きている状態に陥っている方も少なからずいるでしょう。
 
心がどの様な状態であるか。
 
これを確認していかなくてはいけません。
 
 
私は周りの和尚と協力して
お寺でボランティアの婚活支援の活動をしていますが、
現在は、会員は9000名程度、成婚も120組ほどをと非常にありがたい状況になっています。
その活動の中で
静岡西地区で4年間行っていた時は、
運営に対して、いわゆるクレームというものは
ほぼゼロだったのですが、
東京で同じ活動をするようになってから、
クレームは10倍以上に増え、戸惑った事を今でも覚えています。
 
クレームと言っても、運営に落ち度があるというよりは、自分本位の欲求を主張し、改善を求めるものが、大半で、
サービス業ではないので、僕は時間がかかっても説教して、叱ることが多いのですが、
結構大変です。
 
東京の方が、全員そのような方ではなく、ごく一部ですが、
いわゆる地方と比べ、その様な方の割合は高い気がします。
 
なんでだろうな?
と考えていましたが、
一番大きいのは、
一人暮らしが長いのだろうなー
という事です。
 
18歳で上京し、例えば38歳で独身であれば、20年間一人暮らし。
 
一つ屋根の下で、多くの人数で住んでいると、
様々な衝突があり、暮らしにくいのは確かですが、
 
ぶつかる度に角が取れて
丸くなってはいきます。
 
誰ともぶつからずにいれば、
角は取れず、わがままで、その鋭利な角で人を傷つけていきます。
 
ただ、厄介なことに、
わがまま
と言うのは、自分では気づかないもの
です。
 
角が取れているのか?
角ばっているのか?
 
これは、自分では気づかないもので
周りが気づくだけのものです。
 
もちろん一人暮らしだけの問題ではなく、
今の社会は、
人と顔を合わせて、
直接コミュニケーションを取らず、
電話すら減り、
メールやLineだけで済む時代。
 
家の中だけでなく、
外でも、人と衝突し、角が取れる機会が減っています。
 
便利になりましたが、
わがままを増長する時代にもなりました。
 
そんな時代だからこそ、
 
自分が試されています。
 
社会が、家族が、
『私』を素晴らしい人に育ててくれる環境は非常に少なくなりました。
 
でも、
もともと、自分の事です。
 
自分の心は
自分でどうにかする
べきです。
 
社会のせいや、便利なったせいではありません。
 
自分でどのように過ごしているかが
試されています。
 
 
さぁ、改めて
 
あなたの心は
どの様な状況でしょうか?
 
よくよく注視しなければいけません。
 
体の変調は感じますし、自分でもよくわかります。
 
でも、心の状態は
よく見ていこうとしなければ見えないもの
です。
 
 
私は、
心の指差し確認を行っていただきたいと思っています。
 
指を胸に当て、しっかりと心の状態を感じ、
怒りに任せて暮らしていないか、
怠けていないか、
自分本位でないか、
わがままでないか、
 
自分でしっかりと確認するのです。
 
東京でお世話になっている和尚さんが、
生きる上で、句読点を打つことが大切だ。
と法話で話していたことがありました。
 
まさにその通りで、
私たちは日々ただただ文章を書き綴っているような生き方をしています。
 
直木賞をとるような素晴らしい文章も、句読点がなければ読みにくく、何を言っているのかわかりません。
 
人生を小説に例えるなら、
いいタイミングで句読点を打っていかなければ、
 
読みにくくまとまりのないものになります。
 
ただ、句読点を打てば、
人生は読みやすく明快なものになります。
 
心の指差し確認は
まさに、句読点を打つ作業です。
 
一日1回。
5分でも、無理なら1分でもいい。
坐禅でもいいし、空を見上げるでもいい。
心に手を当てて振り返るだけでもいい。
 
今日の過ごし方の反省でもいい。
 
しっかり自分の心を
直に指で確認する感覚をもって
指差し確認しましょう。

 
その機会を
持つか持たないかは、
 
必ず大きな差となり
日々に表れてきます。
 
是非お試しください。

Writer Profile

木宮 行志
木宮 行志Koushi Kimiya

お寺婚活「吉縁会」事務局長 / 龍雲寺住職

浜松市の龍雲寺に入寺後、小学生100名のサマースクールや、世界の子どもにワクチンを送る万灯会など、社会貢献活動を行う。

2010年より、静岡県西部で費用をかけず、安心した出会いの場を提供しようとお寺での婚活「吉縁会」を地元の若手僧侶とはじめる。2015年からは東京、2016年からは名古屋・岐阜・大分・仙台でも開催。現在、会員は10,500名。成婚は260名以上と大きな成果を上げる。僧侶という立場で、独身世代と向き合い、多くの縁結びをお手伝いする。2018年春、 龍雲寺 第22世住職となる。

永代供養・樹木葬・坐禅会紹介『龍雲寺』
寺コン・お寺婚活『吉縁会』

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