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毛穴の奥に見えたもの Vol.9

毛穴の奥に見えたもの Vol.9 最終回 :「毛穴の向こう側に行きますね。」

2016.07.03

さて、何年間も鏡を覗き込んでいたら、そこに現れたのは利己的な私自身でした、
という気づきのお話の続きです。
 
娘の素行が悪いのは、私の育て方が悪かったんだわ。
主人が苦しい思いをしていた時に、支えてあげられなかったのは、
私の力不足だったんだわ。
こんなストレスばかりの毎日だから、病気になるんだわ。
 
私は不幸だわ、、、。
 
自分を憐れむのは、他人を恨んでいたからかもしれません。
他人に頼りっぱなしで、指示や方向性を与えてもらうのを待つだけの人生で、
長い間、自分の思考が停止していたんですね。
そうすれば楽ですし、失敗したときも、
その指示した人のせいだと考えることができる、責任転嫁なわけです。
 
 
もっとも、そんな自分に目が覚めたからといって、
性格が激変し、生活が変わるということは無く、
ましてや肌が治った、などということはありません。
スピリチュアルに目覚めた訳でなく、
いよいよ何か引き寄せたわけでもありません。
 
相変わらず顔は (自分が思うには) 赤いですし、毛穴は全開。
更年期なのか、日々イライラして家族にあたってしまうこともあります。
家事は手抜きだし、仕事は大変だし、、、。
感謝と利他の精神で毎日を生きる、という域には全然達していません。
 
ただ、皮膚疾患に関しては、栄養学的なアプローチと、
免疫療法からのアプローチを試みていまして、それなりに効果が出ていますよ。

元々、大の美容好きですので、美容的な知識はもちろんのこと、
健康面での事を調べるのはとても楽しいです。
身内に難病の罹患者がいることも有り、免疫力を向上させて病気に打ち勝つ、
という考え方について興味を持ち、ホルモンバランスや、腸内細菌など、
知りたいこと、調べることは尽きません。
 
ネット上は玉石混交ですので、気を付けてはいますが、
世界中の研究論文が瞬時に手に入るなんて、
改めて、便利な時代だわ、と感心します。
私が患っている "酒さ" という皮膚疾患も、
ここ数年で研究が進んでいるようで、頼もしく思います。
 
 
今年の3月以降、お付き合いもあり、二軒のクリニックに行く機会が有りましたが、
今までと違い、医師との関わりでも、主観的に取り組むことができています。

つまり、病気に対しての知識を深めること、
どうしたいか、どの部分のQ.O.L の改善を望むのか。
治療に対してのオプションを提示されたきに、一度自分の中に落とし込んでから、
よく考えられるようになりました。
 
なにより、生きていく上で、心が軽くなったというか、
自分自身の状況を客観的にとらえられるようになった気がしています。
悲しんでも憂いても、事象は変わらないですからね。

当たり前のことなのですが、私のような "グルグル思考" の人間にとっては、
大きな突破口なのです。
 
後悔ばかりの人生、失敗ばかりの毎日ですが、選択ミスはチャレンジの証拠!
 
何かを失った時は、失った経験すら得ているんですね。
 
自分の頭で考えて、自分の足で歩んでいく、そんな人生を刻む一歩を、
今日も踏み出せることに感謝して、
私の「毛穴の奥に見えたもの」が何だったのかという、報告を終わらせていただきます。
 
長い間ありがとうございました。

お読みになって、なにか思うところがございましたら、
ぜひ、ハタラク編集部までお声を聞かせてくださると励みになります。

わたしが綺麗と思うもの。

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青いポストを初めて見ました。
これまでの人生観が覆された瞬間です。

 

Writer Profile

浅川あづさ
浅川あづさAzusa Asakawa

海外不動産投資セミナー講師/モデル

バブルが弾けて間もない大学卒業後、すぐに結婚。二女の母となり幸せな日々を送っていたが・・・・・・原因不明の治療法無しの皮膚疾患に苛まれ、約8年間苦しむ。そして肌治療のトライ&エラーを繰り返し、現在は主婦業の傍ら、カメラの前に立つモデルの仕事をするまでに肌が改善。その全貌を余すところなくお伝えするルポルタージュが、この「毛穴の奥に見えたもの」です。

赤ら顔で、‘酒さ‘や‘脂漏性皮膚炎‘と診断されましたが、綺麗になりましたよ。

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