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Vol.29暇と毒

Vol.29暇と毒 ヒールから
垣間見えるご事情。

2016.06.14

みなさん、こんにちは。植松晃士です。
 
さて、きちんと仕事をなさっている方々はおわかりかと思うんですが、
ファッションにもTPOというものがあります。
 
少し前ですけど、イギリスのニュースを見ていたら、
とある会計事務所の受付をしている女性が、
ハイヒールを履いてこないという理由で無給で帰宅させられたんですって。

で、その女性が陳情署名を12万人ほども集めたことによって、
会社側は負けというか、社内の規定を変えてフラットシューズの着用も認めたそう。
この事件、みなさんはどう思う? 
 
僕はその女性が陳情署名を集めたということに、少し驚きました。
「ほおぉー、へえぇー、はあぁー」って気持ち?(笑)。 

今の時代っぽいな、って感じもするけど。
 
例えば、仕事に向かうときに書類を持っていくでしょ。
その時にコンビニのビニールシャカシャカ袋は使わないじゃない? 
でも、モノを入れるという意味ではバッグでなくてもいいわけですよ。
それこそ、歩行のためにはスニーカーでもビーサンでもいいの。
でも、シャカシャカ袋で行く人はいないし、ましてやビーサンで行く人もいないでしょ。そう思えば、「なぜパンプスじゃないとダメなのよ!」と
訴える女性もどうなのかな、って。
 
衣服は、ある意味文化じゃない? 
一番ふさわしく見えるものが定着してくるわけじゃないですか。
その場に応じた服装はあると思うんです。
 
負けちゃった会社にしても「パンプスがふさわしい」って決めたわけで、
男性がジーンズで会社に来ない、ネクタイ&スーツで来るというのと同じだと思う。

会計事務所というと、わりと硬めの会社だと想像するから、
そこはやはり「ペタンコヒール」ではないのでは? と思うんですよねー。
受付だと、いろいろな方々に会うことになるだろうし。

あるいは、その会社も制服にすりゃよかったのにねぇ。
公務員だって、バッキンガム宮殿を守っている人だって制服なんだし、
やっぱりロンドンだしねぇ。
 
その話で思い出したんですが、知人の会社のスタッフにも
「ヒールは履けません」と言ってきた女性はいたみたい。
理由は足が痛いんですって。だけど、知人の会社は別にヒールを履くことを
ルールにしていないんですって。

ちなみに、ボクの会社でも発表会やイベントで
たくさんのお客様をお迎えする時は、その場にふさわしい
ファッションにしたほうがいい、ということはアドバイスしています。
「ひざ下があと5センチ長かったらスタイル良く見えるわね」というような、
ファッションチェックも!!(笑)。それでヒールを履くスタッフもいるの。
 
例えばお客様がかっちりしているというか、
そちらの会社の女性たちがダークスーツでパンプスならそれに準じた服装にする。
そこで浮かないようにね。

逆に、カジュアルブランドの会社にお伺いする人が
かっちりした服装だと、うまくコミュニケーションが取れないじゃない? 
お仕事って、やはりコミュニケーションが土台ですから。
 
少し戻って、知人の会社の「ヒールは履けません」と言っていた女性は、
なぜかたくさんのお客様がいらっしゃるパーティのときは、
足が痛くてヒールが履けないと直訴してきたくせにヒール履いていたんですって。

だから、ナゾだった。どういうことなんだろう? 
きっと、その場にふさわしいのがパンプスだと彼女も思ったんだろうけどね。
知人は、足が痛くて履けないんじゃなかったっけ? と思ったけど、
さすがに言わなかったみたい。
 
ただ、1度直訴したのなら、最後まで履かないで貫き通したほうがいいと思う。
土日の休みや夏季休暇やお正月休みで好きな格好をしたらいいじゃない? 
それとも、単に目立ちたかっただけかしら? 
もしかして恐怖の「かまってちゃん」なのかしら。
久しぶりに登場の「かまってちゃん」(苦笑)。
ひょっとしたら、イギリスの女性もそうだったのかも…なーんて、
妄想はここまでにしておきましょ。
 
では、また次回お会いしましょう!!

Writer Profile

植松晃士
植松晃士Koji Uematsu

アタッシェ・ドゥ・プレス(※)
ファッションプロデューサー
株式会社ヘルメット/株式会社アンソニーレッド 代表取締役
数々のファッションブランドのPRを手がけるほか、ファッションプロデューサーとしても活躍中。TVや雑誌などの多くのメディアで、女性のファッションに対する独自の視点と、その辛口トークが大好評。

※アタッシェ・ドゥ・プレス
ファッションブランド、ジュエリー、コスメ、ファッションビルなどのPRを手がけるほか、ブランドのPR、ブランドディレクション、企画アドバイス、イベント企画・運営などを行います

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