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Vol.53暇と毒

Vol.53暇と毒 「かいかぶり」と「勘違い」。

2017.05.30

みなさん、こんにちは。植松晃士です。
 
突然ですが、「かいかぶり」と「勘違い」。
このワードの違いってきちんと答えられます?
 
ちなみに、「かいかぶり」というのは、国語辞典などで調べたところ、商品を実際の価値より高い値段で買うこと、人物を実際以上に高く評価すること。過大評価。と出てきます。
 
もうひとつ「勘違い」というのは、間違って思い込むこと。と出てきます。
 
前回は「Waitingマチコ」のお話をさせていただきましたが、今回は「ギャップ女子」のお話です。
「かいかぶり」も「勘違い」も似たようなワード。
結局のところ「自分のことも含め、さまざまなことをきちんと判断できない」。
これがダブルになったら、もう大変な状態ですよね・・・・・・。
 
なぜ、こんなお話をしているかというと、この季節になると気になることがあるんです。移動中の車の中から外を見ていると、横断歩道にふわりと出てくる人が多くなるの。
いわゆる「五月病」というもの? 
ただ、そういう状態になってしまうような、心が乱れたりすることは、どこからきているんだろう? と、暇なときにふと考えてみたんです。
 
そのひとつが、先に出した「かいかぶり」と「勘違い」。
つまり、世の中が評価する自分の力量と、自分が思いこんでいる力量の差。
その溝が深まってしまうことで心が乱れてしまうんじゃないかしら? と思い当たったんです。
溝がそれほど深くなければ、なんとかやり過ごせることはあるんだろうけど、自分をかいかぶって勘違いし過ぎていると「どうして私じゃなくて、あの人がその仕事をするの?」とか「私はこれもあれもできるのに!」とか「もう! みんなどうしてわかってくれないの?!」と心の闇が深くなるわけ。
 
会社や社会は、自分1人の力で動いているわけじゃない。
自分がめちゃくちゃがんばっているとしても、サポートしてくれる人が必ずいるんです。あるいは自分がサポートしなくちゃいけない場合もありますよね。
 
例えば、1人で絵画を仕上げた画家でさえ、それを展示してくれる人や販売してくれる人、PRしてくれる人がいてこそ、世の中に出ていけるんですから。
フリーで働いている人でさえ、数人の関係性があるんですから、会社にいたらなおさらのこと。
一から十まですべて1人ではできない、という意識と気持ちがあれば、自分と世間とのギャップは少なくなっていくはず。
 
そして、一番忘れてはいけないことは「評価というのは、他人や社会が下すもの」ということ。
自分が願うポジションにいないのなら、「どうしてわかってくれないの?」と批判するのではなく、どうしたらそのポジションを手に入れられるかを考えて作業する。
自分で自分をかいかぶっていては、その状況は打破できないでしょ。
正当な評価をしてもらうべく、冷静に自分のことを客観視したほうがいいと思う。
 
例えばがん細胞って毎日できているけど、自然消滅もしているんですって。
心の闇も同じ。
何かあっても、それを毎日リセットしていくことで、明日また新しい展開があるの! 
「かいかぶり」も「勘違い」もすることなく過ごせれば、きっと幸せな立ち位置を手に入れられるから、暇なときに自分のことを見つめ直してみて。
 
では、また次回お会いしましょう!

Writer Profile

植松晃士
植松晃士Koji Uematsu

アタッシェ・ドゥ・プレス(※)
ファッションプロデューサー
株式会社ヘルメット/株式会社アンソニーレッド 代表取締役
数々のファッションブランドのPRを手がけるほか、ファッションプロデューサーとしても活躍中。TVや雑誌などの多くのメディアで、女性のファッションに対する独自の視点と、その辛口トークが大好評。

※アタッシェ・ドゥ・プレス
ファッションブランド、ジュエリー、コスメ、ファッションビルなどのPRを手がけるほか、ブランドのPR、ブランドディレクション、企画アドバイス、イベント企画・運営などを行います

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