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恋に効く、仏教 Vol.9

恋に効く、仏教 Vol.9 第九話
自分の尊さに
気づく事から始める

2016.02.10

あなたには先祖は何人いますか?
 
僕はよく、この様な問いかけをします。
 
多くの人の答えは、
「考えたことがない」
「わからない」
ですが、中には
「うちは分家なので先祖はいません」
と断言する人もいます。
 
先祖がいないって事は、どうやって生まれたんだろう? 新種?
 
まぁいないなんて事はもちろんないのですが、多くの人は考えたことすらありません。
 
この話は、よくお坊さんの世界では語られる話なので、
どこかで聞いた事があるかもしれませんが、
 
先祖が何人いるか?
 
まぁキリがないので、うちのお寺は700年前の南北朝時代に創建されたのですが、
うちのお寺ができた700年前から数えると何人くらいいるのか?
 
人は生まれるには、どの様な人でも必ず両親が必要です。
1人には2人が必要。
でも、両親が生まれるには、じいさんばあさん4人必要。
4人のじいさんばあさんには、8人の・・・・・・。
倍々ゲームで必要です。
 
さぁ何人必要でしょう?
 
聞くと、大体の人は、
5000人とか、1万人とかと答えます。
 
でも、
これ実際に何人かというと、
 
85億8993万4592人
 
必要になります。
 
算数の問題ですが、大体平均20歳で子供を産んだとして、
700年だとこのくらいの数になります。
 
今の世界の人口が、
73億人くらいだと言われていますが、
 
たった700年の間だけで、
 
一人の人間が生まれるのに
 
85億8993万4592人が必要なのです。
 
この誰が欠けても私たちは今ここで座る事すら出来ていないのです。
 
この数から言えば
 
42億9496万7296組の男女の出会いや思いがあって、私たちはここにいるのです。
 
ここに思いが至るか至らないか。
ここは大事だと思います。
 
頭では、わかっているのです。
どうやっても先祖が必要なことは。
知識としては知っているのです。
 
でも、心にその思いを置いているか?
 
知識として知っているのと
心に置いているのは大きな違いです。
 
 
私たちは自分の命の尊さをあまり見つめません。
自分の人生だからと好き勝手に生き、命と向き合う生き方をしないでいます。
 
この数が示すように、
私のもとに、この命がたどり着いたのは、
大いなる命のバトンリレーがあり、
私もそのバトンを受け取り
過去の走者に恥じない自分らしい走りをし、
次につなげる。
 
そうした大いなる流れの中で、命を預からせていただいているのです。
 
あなたが生まれたのは、奇跡の出来事であり、命を預かった以上、
その命と向き合わなくてはいけません。
 

自分の命がどれだけ尊く、奇跡の産物であるかを心に持ち、
大いなる命のリレーの中で生かされていることを感じる。
 
これが、大切に生きる第一歩です。

 
これに気づけば、日々を大切に、
命を使い切るように生きなければいけないことに気づきますし、
この人生をしっかりと生ききる
という思いに目覚めます。
 
また、隣にいる全員も同じように尊い命である事に気づきます。
 
自分の尊さに気づけば、相手の尊さにも気づくのです。
 
自分の尊さを気づかない人が、
本当の意味で
相手を尊ぶ事は出来ないのです。
 
 
私たちは個人主義になり、
もちろん命のリレーや、先祖のことなど考えない生き方になってきています。
家制度があった時は、先祖の存在を強く感じられたのですが、家制度も崩壊し、
唯一命のつながりを感じられる場であった葬儀・法事も全体的には
個人主義のものになっていく傾向です。
 
周りに「生かされている」を感じる場が少なくなってくれば、
人はどんどんわがままになるのです。
自分だけのことを考えれば、どう生きても勝手という事になるのです。
 
自分で感じ、心に持たなくては、
命の尊さを誰も教えてくれない時代。
 
是非一度考えませんか?
 
 
子孫をつなげば、
700年後には私の命から
85億8993万4592人の子孫が誕生するのです。
 
子供ができなくても、
過去の85億8993万4592人に報いる生き方ができれば、
その良縁は700年後にもつながるのです。
 
 
自分の尊さに気づけば、生き方が変わる。
自分の尊さに気づけば、相手への思いが変わる。

 
心のどこかにこの思いを置いておくのか、
知識として知っているだけで終わらせるのか、
 
これは大きな違いです。
 
さぁどうしますか?
 
 
追記
この文章を書いている間に、12月に飼い始めたハムスターが赤ちゃんを産みました。
子供たちがハムちゃん、スター君と名付けた2匹。
ハムスターのペースだと、700年間で、ハムちゃんとスター君には、
何匹の先祖がいるのでしょう(笑)
 
ハムスターの寿命は2年少し。
彼らも必死に生きています。
 
 

Writer Profile

木宮 行志
木宮 行志Koushi Kimiya

お寺婚活「吉縁会」事務局長 / 龍雲寺副住職

浜松市の龍雲寺に入寺後、小学生100名のサマースクールや、世界の子どもにワクチンを送る万灯会など、社会貢献活動を行う。

2010年より、静岡県西部で費用をかけず、安心した出会いの場を提供しようとお寺での婚活「吉縁会」を地元の若手僧侶とはじめる。2015年からは東京、2016年からは名古屋・岐阜でも開催。現在、会員は4000名。成婚は80組以上と大きな成果を上げる。僧侶という立場で、独身世代と向き合い、多くの縁結びをお手伝いする。

永代供養・樹木葬・坐禅会紹介『龍雲寺』
寺コン・お寺婚活『吉縁会』

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