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Vol.05暇と毒

Vol.05暇と毒 おもてなしの真髄

2015.06.17

こんにちは。植松晃士です。
最近、日本人の「質」というか「タイプ」が変わったような気がしています。
 
ついこの前まで、東京へオリンピックを招致するにあたって「おもてなし」なんてワードを大アピールしてましたよね。「そうよ! 日本人にはおもてなしの心があるのよ! ホスピタリティよ!」なんて盛り上がってましたけど、「本当にそう?」って思うことがちらほらあります。もちろん、日本の老舗旅館や代々続く由緒ある場所では「おもてなし」の心が受け継がれています。いつもと変わらないホスピタリティに感動すらするけど、そういう場所以外では「?」がたくさんあるのよ。
 
そもそも、東京は地方からやってきた人でごった返している都会。地方それぞれにルールがあって、たとえばエレベーターや電車に乗る時は降りる人が先で、乗る人はわきによけて待っているもの。忙しい人たちでバタバタしている都会は、譲り合ってこそスムースにいろいろな事が運ぶの。
 
でも、地方都市ではそうじゃないことも多いのよ。それが、いい、悪いってことじゃないの。ルールというか、そういう文化だから。地方都市は地方都市で、そういう文化で成り立っているからいいのよ。
でもね、東京だとそういうルールじゃないでしょ。他人様であっても、ルール違反を見ると注意したくなる。これって、おせっかいかしら。でも、モノ申したくなることが山のようにあるのよ!!!
 
ほかにも、身近なお話になるけれど、お取引先の方で(こちらが仕事を発注している立場ね)、こちらがお願いした場所に送ってほしい書類を、まるきり違う場所に送ってきたり。ほかには、撮影当日までに商品が届かず(それだけでも「え?」って感じだけど)、当日に電話で催促してもなかなか届けてくれなかったり。(まして、電話を受け取った人が商品を送るのをうっかり忘れていたというアクシデントつき!)。
 
また、ある女性は、お仕事の件でお電話したのにつながらないばかりか、ずいぶん後になってラインで「すいません。先日はご苦労様でした」って書いてあったの! 先日も申し上げましたが「すいません」は日本語として間違っているのよ。「い」じゃなくて「み」よ。それだけでもブチンときたのに「ご苦労様」って! 
みなさんは、このワードの何がダメかおわかりかしら? これは、目上の人が目下の人に挨拶する言葉なの。昭和の時代、お金持ちの奥様が庭師に、渡り廊下から「ご苦労さま」なんて声かけてたのよ。お仕事の立場的には彼女とは対等でいるつもりだったのに、この2つのワードに「・・・・」とドットが4つ、頭の中に広がったわ。この人はひょっとして、「馬」を見て「鹿」という人なのかしらって・・・・・・。
 
もちろん、彼女にとって「ご苦労様」というのはわざと書いたわけじゃないと思うの。たまたま、そういう知識がなかっただけなのよ。あるいは、仕事をしている間にそういう挨拶がダメだというのを教えてもらわなかったのね。ま、どういう状況でどういう言葉が適切なのかっていうことは、教えてもらう前に自分で経験して体得していくものだけど。そいうチャンスがなかったんでしょうね。それに、ホスピタリティ、おもてなしの心があれば、こういう言葉も使わないと思う。
 
決してムカついたわけじゃないの。ただ、そういう社会性のない発言に憤りを覚えたの。電話だとスルーしてしまうような言葉かもしれないけど、ラインやメールって残ってしまうから、このSNS社会では、みなさもくれぐれもお気をつけて! 
 
では、またお会いしましょう。

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Writer Profile

植松晃士
植松晃士Koji Uematsu

アタッシェ・ドゥ・プレス(※)
ファッションプロデューサー
株式会社ヘルメット/株式会社アンソニーレッド 代表取締役
数々のファッションブランドのPRを手がけるほか、ファッションプロデューサーとしても活躍中。TVや雑誌などの多くのメディアで、女性のファッションに対する独自の視点と、その辛口トークが大好評。

※アタッシェ・ドゥ・プレス
ファッションブランド、ジュエリー、コスメ、ファッションビルなどのPRを手がけるほか、ブランドのPR、ブランドディレクション、企画アドバイス、イベント企画・運営などを行います

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