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Vol.637ハタラクさんの毎日

Vol.637ハタラクさんの毎日 先輩と後輩。

2016.09.17

「余白をつくることよりも、情報を入れることを考えたほうがいいぞ」
「はい・・・そうなんですね」
 
と、男性ふたりの会話が、ある地下鉄のホームを歩いていたときに、
わたしの後ろから聞くとはなしに、聞こえてきました。
会話の内容と口調からして、雑誌の編集者の先輩と後輩のようでした。
 
先輩「今の若い世代は、ネットが当たり前。だから情報量があることも当たり前なんだよ。
       わざわざお金を出して雑誌を買ってもらうためには、
       これでもかというほどの情報量を入れないとダメだ」
後輩「おしゃれなページにしたいと思うと、ゆったりした、
       余白のあるデザインにいたくなるんですよね。それだと情報量は自ずと減りますからね」
先輩「そうだよ、もちろんおしゃれなつくりも大事だけど、まずいまは情報量が大事だと思う」
後輩「そうなんですね・・・」
 
この会話の内容がどうのこうのということではなくて、こうして熱く語れる先輩と後輩って、
なかなかにいいものだなーと。これだけ話せるというのは、
お互いに信頼関係がないと成り立たないものですから。
 
わたしも前職のときにはよく、同僚たちと喧々諤々あーでもない、こーでもないと、
よく話していましたっけ。そこで良し悪しの結論を出したいわけでなく、
思ったこと、考えていることをとことん話し合う、
その行為自体が楽しい時間でした。
 
 
学生時代然り、会社員時代然り、先輩から教えてもらったり、反発したり、
後輩に教えたり、逆に教えてもらったり。
そんな関係性から人は成長していたのかもしれないなーと、
先の彼らの会話を聞きながら思ったのでした。
 
 
 
かけがえのない時間って、その時はなんでもない時間かもしれないですな。
ただ振り返ったときに、そういうなんでもない時間にこそ、
たくさんの温かいキラキラしたものが詰まっているのでしょうな。


Relax & Enjoy♡

Writer Profile

河田実紀
河田実紀Kawada Miki

株式会社ハタラク社代表/編集者
大学卒業後、出版社に入社。主に雑誌の編集に携わる。2011年、女性雑誌の編集長に就任。2013年5月独立。大好きな編集の仕事を軸に、今の時代だからこそできる出版の力を見出そうと、「一度きりの自分の人生、楽しんで生きる!」と決め、一歩を踏み出す。2014年12月22日に(株)ハタラク社設立と同時に、WEBマガジン『ハタラク』を開設。

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