BS朝日×ハタラク×GINGER 演出家・宮本亜門さんと感じるブータンの旅 幸せの尺度って、なんですか?

Intro

「生きるってどういうことだろう?」「幸せってなんだろう?」
そのヒントがあるのではと、宮本亜門さんとブータンをおとずれました。

10泊 11日のブータンの旅。
その旅はあまりにも新鮮で、あまりにも清々しくて・・・・・・。

今回の旅で、素晴らしい贈り物を、たくさんもらいました。
それらをぜんぶ素直に届けます。
それが、WEBマガジン・ハタラクだからこそ、できることだと思ったので。

全20回のブータンストーリー。
毎週日曜日に更新中。

あなたもブータンをとおして、幸せを、生きることを、感じてください。

カディン チェ ラ(どうもありがとう)!!

Story.06

12月18日 後編

なにが幸せかは、まだわからない。

『シムトカ・ゾン』を後にしたわたしたちは、ブータン最大の主要産業である農業を営む一般家庭を、訪問することにしました。
そして亜門さんは、よりブータンの人たちの気持ちに近づこうと、ティンプーで調達したブータンの民族衣装『ゴ』を着用です。

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ティンプーの民族衣装やさんで、『ゴ』の試着をする亜門さん。「この色は僕には合わないなー(笑)」と、選んだ色は透明感のあるブルー。『ゴ』に黒いソックスと、黒の皮靴を履くのがブータン流。

『ゴ』を着た亜門さんは、このような考えが浮かんだようです。

「ブータンの民族衣装は、日本のきものと同じ意味合い。でも、ガイドさんに聞いたら、ブータンの人たちは、仕事や学校、寺院の参拝など、公の場では必ず、民族衣装を着るらしい。日本では考えられないよね。
この民族衣装のように、日本のきものも、日常で着られるような工夫ができればいいのにな。
他の国にないオリジナルの素晴らしい文化なんだから。僕も日本に帰ったら、もっときものを着よう!ほんと、ブータンからは、学ぶことが多いね(笑)」

ある種の、カルチャーショックを受けた亜門さんが農家に到着。そしてまず、目に飛び込んできたのは、壁にドーンと描かれた男性のシンボル!!!

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今回訪れた農家だけでなく、他の民家にも描かれている『ポー』と呼ばれる男性のシンボル。その横でお料理をする女性。なんともいえないブータン感。

あ、あ、亜門さん、もの凄い絵が描かれてますけど・・・・・・。

「これは大きい!(笑)。さすが女性、河田さん、見つけるの早いね。他にもロケバスから、何軒も何軒も描かれた家が見えたから、なにか意味があるんだろうね」。

実はこの『ポー』と呼ばれる絵は、ブータンの人たちにとっては、大変ありがたいもの。悪霊が家のなかに入らないようにという“魔除け”の意味と、作物が豊かに実り、多くの子どもを授かりますようにという“豊饒多産”の願いが、込められているそうです。

そんな鮮烈な絵を目の当たりにした亜門さんが、家のなかへ。
一般的なブータンの農家は、1階が家畜小屋、2階が住居、3階が倉庫というつくりです。わたしたちは2階の住居にうかがい、ブータンの家庭料理をふるまっていただきました。
唐辛子をふんだんに使ったブータン料理をいただきながら、家のご主人たちとの会話もはずみます。

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歴代のブータン国王の写真が飾られたリビングで、ブータン料理のおもてなし。干し肉や唐辛子、野菜をたっぷり使ったお料理に赤米の組み合わせが定番。

こちらの農家は、お父さん、お母さんとお子さん、そしてお孫さんの計8人で暮らしている、ブータンではごく一般的な家庭です。やおら亜門さんが、お父さんとお母さんに聞きました。

「幸せですか?」

すると、「つらいことや苦しいこともいっぱいあったけれど、こうやって家族仲良く暮らせて、健康で、今は本当に幸せです」との返事が。

帰路につきながら、亜門さんが話しました。
「僕は沖縄でも暮らしているけれど、ブータンと沖縄は近いところがあるなーと思った。
ただ沖縄は、太平洋地上戦という、深い痛みを伴ったうえでの、今。
もちろん、このブータンも、過去に移住とか暴動、侵略とか色々あって、大変な時期を過ごして来たと思うけど、人々に危機感というものが、あまり見受けられない。痛みがあるから、おおらかという沖縄の気質とは、ちょっと違うような気がする。

ブータンは、もっと根源的な意味でのおおらかさがあるような・・・・・でも、どうなんだろう。まだわからないな。

幸せにしても、今日の農家のお父さんやお母さんと話していると、“苦労したからこそ、今の幸せがある”と言ったかと思うと、”幸せは王様に与えられたもの"とも言っている。なにをもって彼らは幸せとしているのかは、これから知るしかない」

カディン チェ ラ!

このホテルに宿泊!!

Zhiwa Ling Hotelシワ・リン ホテル

伝統建築を駆使した本館と客室のあるコテージ、広々とした庭園、そしてスパやヨガルーム、石風呂を完備した充実のトリートメント・・・・・・心身ともにリラックスできるホテルです。
文化財級の工芸がホテル全体にあしらわれ、ブータンの伝統の空気に包まれ、ゆっくりと贅沢な時間が流れています。

そしてホテルからの美しすぎる景色に言葉も出ず、ただただ自然を見つめていたわたしたち。頭のなかが空っぽになり、なんともいえない清々しい、クリアなものが胸の奥底から溢れてきて、気づくと涙が。最上質の場所です。

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(左上)丘の上の広大な場所に建つシワ・リン ホテル。(右上)ブータンの人々の神聖な地、タクツァン僧院が臨める瞑想ルーム。(右下)落ち着いた雰囲気と最高の眺望も期待できるツインの客室。(左下)見事な工芸技が施された吹抜けのロビー。

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ホテルからの眺望は、言葉に出ないほどの美しさ。日の出と共に、空、山、空気が一気に輝き出します。

●シワ・リン ホテル
http:// www.zhiwaling.com
※こちらのホテルは公定料金に加え、追加料金の支払いが必要です。詳しくは利用される旅行会社にお問合せください

ハタラクは見た!!

唐辛子と干し肉がなくちゃはじまらない!

ブータン料理に欠かせないものといえば、唐辛子と干し肉。どのお料理にも、必ずといっていいほど入っている食材です。
冷蔵庫の普及が遅かったなどの理由で、肉を干す習慣がついたそう。

ブータンでは干し肉を『シャカム』と言います。牛肉のシャカムをチーズで煮込んだ『ノシャ・パ』は、わたしたちもこの旅で何度も食べていますが、その家庭やレストランによって味も違い、自分好みの味つけを見つけるのも楽しいでしょう。

また、唐辛子はブータンでは調味料のひとつと考えられているほど、ポピュラーです。生のまま、茹でて、干してとさまざまな使いかたで食べられています。これだけ唐辛子が根付いているのは、ブータンの冷涼な気候がおおいに関係しているからとか。

残縁ながらブータン料理レストランは、日本に数件しかありません。本場の味を楽しみたい方は、ぜひブータンへ!!

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訪ねた農家の家のなかや、窓辺には干し肉が干されています。自分の家で収穫した唐辛子もたっぷりと! ブータンでは子どものころから、唐辛子を普通に食べることに驚き。

宮本亜門

宮本亜門AMON MIYAMOTO

演出家
1958年1月4日生まれ 東京都出身
ミュージカル、ストレートプレイ、オペラ、歌舞伎等、ジャンルを越える演出家として国内外で幅広い作品を手がけている。
http://amon-miyamoto.com/jp/

BS朝日×ハタラク×GINGER 演出家・宮本亜門さんと感じるブータンの旅 幸せの尺度って、なんですか? の目次

Story01 12月15日
出発。じらされてブータン。
Story02 12月16日
なぜかバンコク!?そしてなぜ、ブータン?
Story03 12月17日 前編
ブータンの地に一歩。
Story04 12月17日 後編
生かされている感覚。
Story05 12月18日 前編
大きなビジョンのなかの、今の一瞬。
Story06 12月18日 後編
なにが幸せかは、まだわからない。
Story07 番外編
亜門さん、死って怖いですか?
Story08 12月19日
宇宙と向き合える場所。
Story09 12月20日 前編
魂が宿る場所。
Story10 12月20日 後編
クリーンにリボーン!
Story11 番外編
亜門さん、今のブータンについて話しませんか?
Story12 12月21日
生きてることが幸せ。
Story13 12月22日
お釈迦様も自分も自問自答。
Story14 12月23日 前編
焦らず、一緒に幸せの国にしていこう。
Story15 12月23日 後編
変わらずにある、大切な何か。
Story16 番外編
亜門さん、今は死をどう感じますか?
Story17 12月24日 前編
ブータンは新しい国!
Story18 12月24日 後編
ブータンの勇気。
Story19 番外編
亜門さん、GNH委員会の人と話しませんか?

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