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恋に効く、仏教 Vol.39

恋に効く、仏教 Vol.39 第三十九話
素直に、素直に

2018.02.21

昨年末、
うちの子供二人が
ダウン症の天才書家として有名な
金澤翔子ちゃんの家にお泊りに行きました。

金澤翔子ちゃんの事や、
うちとのご縁については
過去の
32話
33話

などをご覧ください。


ダウン症ながら一人暮らしをしている
翔子ちゃんですが、
そこに
小学校5年生(ゆず)と
2年生(すず)の娘二人がお泊りに。

翔子ちゃんも32歳ですが、
今も小学生みたいな心で生きてますから。

小学生3人が一人暮らしの家で
お泊りみたいなものなので、
そりゃもう大騒ぎで
意味もなく数時間交代で、
ランニングマシンで走り続けたり、
訳のわからない遊びをしていたようです。

ただ、どうしても子供ですので
娘二人が
くだらないことで
ケンカをして
2年生の娘(すず)が意地をはって譲らず
すずが泣き出したそうです。

すると
翔子ちゃんは

「素直に、素直に」
と優しく言いながら
泣いているすずの頭を優しく
撫で続けてくれたそうです。
泣き止むまで、
笑顔になるまで、
ずっと撫で続けてくれました。

すずは笑顔になり、また遊び始めたそうです。

家に帰ってきて
その話を嬉しそうにして、
心が温かくなったよ。と言っていました。



その話を後で聞いて
僕はハッとしました。

「泣き止んで」とかそういう言葉ではなく
「素直に、素直に」


私たちは、
素直になれないからいろんな衝突を日々
起こしているのではないでしょうか?

恋愛でも
友人関係でも
仕事でも

素直にさえなれば
大きな問題にならなかったことも
多くあるのではないでしょうか?

でも、
素直になるのが難しい。

プライドが許さない。。。

ただ、プライドなんて言って守っている自分。
その自分って言うのも
自分はこういう人間だ。
と自分の心で思い込んでいる幻想です。


人生において
様々な場面で問題が起きても

その時に
素直にさえなれば
問題は解決する。

プライドなんかに邪魔されず
素直になれば。


本当は気づいているのです。
素直になればいいことを。

心のどこかでは気づいていても
素直になれない。

素直になれば
これ以上怒らなくていい。
これ以上責めなくていい。
もう許していい。

素直になって
一緒に笑いたい。
一緒に過ごしたい。
手をつなぎたい。


素直になれば

おはよう、とあの人に言えるのに
いつの間にか
挨拶も出来なくなった。


素直になれば

ありがとう、と言える。
感謝はしてるのに、素直になれず言えない。


翔子ちゃんは
素直な子です。
ダウン症であり、ある意味
素直にしか生きられない子です。

あの娘は、
素直になれば大丈夫。ってわかってるんです。


すずは、
素直に素直に、と頭を撫でられて
すっかり笑顔になり
素直になれたから
すぐに楽しいお泊り会の再開です。


大人になればなるほど
素直になれず、
わかっていても切り替えられない。

でも、
そうなっているのは
成長したからじゃない。
それが大人ではない。


自分の心を調える事もせず
こだわり、かたより、とらわれ
頑なになった自分の心を
頑なとも思わないで
周りに問題があると思い、
日々を流され生きている。
そんな自分のせいです。


急には素直になれないでしょう。
プライドも大事にしたいでしょう。
怒りを捨てられないでしょう。

でも、
心のどこかで

「素直に、素直に」

と優しく思うだけで何かが変わると思うのです。


素直に生きてみませんか?
何かが変わっていくはずです。

Writer Profile

木宮 行志
木宮 行志Koushi Kimiya

お寺婚活「吉縁会」事務局長 / 龍雲寺住職

浜松市の龍雲寺に入寺後、小学生100名のサマースクールや、世界の子どもにワクチンを送る万灯会など、社会貢献活動を行う。

2010年より、静岡県西部で費用をかけず、安心した出会いの場を提供しようとお寺での婚活「吉縁会」を地元の若手僧侶とはじめる。2015年からは東京、2016年からは名古屋・岐阜・大分・仙台でも開催。現在、会員は10,500名。成婚は260名以上と大きな成果を上げる。僧侶という立場で、独身世代と向き合い、多くの縁結びをお手伝いする。2018年春、 龍雲寺 第22世住職となる。

永代供養・樹木葬・坐禅会紹介『龍雲寺』
寺コン・お寺婚活『吉縁会』

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