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Vol.87暇と毒

Vol.87暇と毒 フリーの女。

2018.11.28

みなさん、こんにちは。植松晃士です。
あっという間に半年が過ぎて、年末が目の前ですね…。

今回のテーマは「フリーの女」です(苦笑)。
いろいろな意味を持つ言葉ですが、
複数の案件を受け持つフリーランスの女性のお話です。

アラサーともなると、「フリー」という言葉のサウンドが
かっこいい感じがするんでしょうね。自立している、という響きがあるし。

僕も20代後半から独立して起業したわけですが、
それとは別にフリーランスは「自由」な感じもして、
縛られないことでさらに自分の輝きを増す、
というイメージがあるようです。しかも高収入が狙えるしね。

ファッションやビューティの世界にも、
そういうフリーランスでお仕事していらっしゃる方はたくさんいて、
お知り合いも多いんですが、その方たちはやはり
プロフェッショナルというか、あらゆる知識や経験を駆使しているので
尊敬しているんです。ただ、ある種のフリーランスの
カタカナ職業の方(アラサーで独立した今回のお話の主役)は、
そこを履き違えているのかな? と。

その方は何種類もの仕事を請け負っていて、
もちろんフリーなんだから自分の采配でいろいろできるとは思うんです。
でも、たくさんの案件があると、どれかがおろそかにならない? 
例えばA社の案件を進めるとB社の仕事のスケジュールと重なってしまう、とか。
そこをうまくやるのがフリーの醍醐味というか、経験によるんでしょうけど、
A社のことが手いっぱいになってしまってB社がまわらない。
でも、B社にとって、フリーの女のその忙しさは関係ないわけです。

B社の会議に出席できないなら、滞りなく進めるために先回りして
準備しておくとか、細かく仕事を運んでおくのが礼儀だし、
信用のひとつ。とある会合への出席をお願いした時も
「出張で出られないんですー」の一言だったそう。
だったら、関係各位に連絡説明して、根回しをしなくちゃ。
なのに「フリーだから」という理由で、会合にはいてもいなくてもいい、
みたいな扱いにはならないでしょう?

フリーランスという立場は、誰にも守ってもらえないわけです。
1人しかいないから。そこがリスクではあるのだけれど。
そのためにも信頼・信用は大切。
さらに言えば、フリーランスとなるには「想像力」も不可欠なんです。
何をどうしたら、その先どうなるか?
ということを見据えて行動できないといけない。
人の気持ちを汲まなくちゃいけない。
想像力が足りないと、仕事が何も進まないんですよねー。

その方も想像力がないから、案件の掛け持ちができない。
できていると自負していても、クライアントからはそう見られていない。
その方がどこまでフリーとして続けられるのか、
見守っていきたいと思います(苦笑)

これからフリーランスになろう、独立しようと思っている人はぜひ
「想像力」を身につけてからにしてね。
プロフェッショナルなフリーランスは、職業仁として、
十人前のパワーとエネルギーが求められるのですから。
美味しいとこ取りなんて、どこにも無いということですね、ふぅー。
人のふり見て我がふり直せ、生きていくってとってもきびしいわー。

では、次回またお会いしましょう?

Writer Profile

植松晃士
植松晃士Koji Uematsu

アタッシェ・ドゥ・プレス(※)
ファッションプロデューサー
株式会社ヘルメット/株式会社アンソニーレッド 代表取締役
数々のファッションブランドのPRを手がけるほか、ファッションプロデューサーとしても活躍中。TVや雑誌などの多くのメディアで、女性のファッションに対する独自の視点と、その辛口トークが大好評。

※アタッシェ・ドゥ・プレス
ファッションブランド、ジュエリー、コスメ、ファッションビルなどのPRを手がけるほか、ブランドのPR、ブランドディレクション、企画アドバイス、イベント企画・運営などを行います

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