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Vol.1532ハタラクさんの毎日

Vol.1532ハタラクさんの毎日 草野心平さんの大好きな詩。

2019.03.01

仕事の先輩と軽く飲みながら、何かの流れで
詩人の草野心平さんの話に。
私の母校の校歌が草野さんが書かれた歌詞だったこともあり、
学生時代から草野さんの詩を読むことが多くありました。

そして、思い出したんです。私が大好きだった詩。

ばっぷくどん
 (詩集「第4の蛙」より)
草野心平
ばっぷくどんがうたたねの眼を覚ますと。
毛脛がある。
見ると物凄い大人物だ。
ばっぷくどんは観念した。
ただ一撃を待つだけである。
燈台の灯が闇をつらぬく勢いで。
ばっぷくどんの眼はらんらん。
今生の見納めに右と左の景色をみた。
悲しく波うつエーテルなど。
気がつかなかった色んなものが。
初めて見える。
しまった。おれの人生は。
と。
思った次の瞬間。
大人物はいつの間にかいなくなっていた。
きらめく光。
ぬくい雲。
ばっぷくどんの平べったい頭をやさしい風がなぜてとおる。
ばっぷくどんは生れてはじめて平和というものの実体を知ったかのように。
ああ。せいせいする。
するなあ。
といった。
ばっぷく。ばっぷく。
ばっぷくどんの両眼に海の碧と雲とが映る。


響きます。



詩は深くて濃密だすな。

Relax & Enjoy♡

Writer Profile

河田実紀
河田実紀Kawada Miki

株式会社ハタラク社代表/編集者
大学卒業後、出版社に入社。主に雑誌の編集に携わる。2011年、女性雑誌の編集長に就任。2013年5月独立。大好きな編集の仕事を軸に、今の時代だからこそできる出版の力を見出そうと、「一度きりの自分の人生、楽しんで生きる!」と決め、一歩を踏み出す。2014年12月22日に(株)ハタラク社設立と同時に、WEBマガジン『ハタラク』を開設。

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